コーエンの強制法と連続体仮説の否定モデル 第7/11章



第2ステージ。
いよいよ小数の存在証明に乗り出します。


まず。
整数界の住人は、頭の中で、適当な<整数の外にある数>「α(わかりやすい為に例を与えるとα=3.1)」を仮定します。

はい、これで小数の存在証明:第一の条件「整数ではない数字の存在を(整数世界の中から)証明する。」はクリア!



・・・こんな事でいいのかよ!って、超あっさりなんですが^^A;
それでいいんです。
<整数の外にある数>を頭の中に思い浮かべる事自体は本人の自由ですから。
身も蓋もない話ですが・・・


次に整数界の住人が、頭の中で、適当な<整数の外にある数>「β(例:β=2.6)」を仮定します。

整数世界に住む彼らには「小数」の存在を知りません。
ですが、その存在について仮に「α、β」などと呼んで
『α − β』の計算式、およびその答えを考察する事は勝手にできるのです。



整数世界の住人にとってはαとβの値や、その意味は決して理解できませんが、
それでも
 1)もし「上の世界で『α>β』が成立する」ならば、『α − β』の答えは上の世界で『0より大きい』と結論が発生するだろう)
 2)もし「上の世界で『α<β』が成立する」ならば、『α − β』の答えは上の世界で『0より小さい』と結論が発生するだろう)
 以上2ケースの内のどれかが当てはまる。
 ただし、我々整数世界の住人にとってはα>βもしくα<βを判定する術がないので
どちらのケースが上の世界で正しくなるのかはわからない」
などと考察する事はできますし、
それは理論的に正しい事実を言及しています。


ここで第三の小数δ(例:δ=4.5」を投入します。
そして例えば計算式「α − δ」を『整数世界』で考えると、同様に
 1)もし「上の世界で『α>δ』が成立する」ならば、『α − δ』の答えは上の世界で『0より大きい』と結論が発生するだろう)
 2)もし「上の世界で『α<δ』が成立する」ならば、『α − δ』の答えは上の世界で『0より小さい』と結論が発生するだろう)
〜などと考察する事ができます。

そしてこのときに整数世界では
α>β、かつα>δならば → 「『α − β』は0より大きい、『α − δ』は0より大きい」
α>β、かつα<δならば → 「『α − β』は0より大きい、『α − δ』は0より小さい」
α<β、かつα>δならば → 「『α − β』は0より小さい、『α − δ』は0より大きい」
α<β、かつα<δならば → 「『α − β』は0より小さい、『α − δ』は0より小さい」
などと「考えられる上の世界の様相」が4ケースに分岐してます。

実際にはα+β、α+δ、β+γ、β−δ
など他の計算式もあるので本当はもっと増えますが。

しかしそれらも結局は
「もし〜ならば、 → 〜が成立する」
で分岐させて、全てのパターンを考慮する事で
同じように対処できます。


この調子で第4、第5、第6、・・・の小数を整数世界に投下して
どんどん数を増やしてゆけます。

それに従って整数世界の方では
「もし〜ならば、 → 〜が成立する」算の数が
がどんどん増えてゆきますが
ただ数が多くなるだけで
全パターンの網羅して全パターンの分岐を作ってればいっこうに問題ありません。


こうして小数をどんどん追加してゆけば
整数世界の中にも小数を作れるんです!

そして、小数同士の演算についても
「もし〜ならば、 → 〜が成立する」で
仮定しておくことで計算は済んだ物としておきます。


前ページ 次ページ

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11


トップへ