ヒルベルト・プログラム 完全な数学を目指して・・・その後 (7/7章)



さてつまり。

現在の数学のデファクトスタンダードはZFC公理体系。

ZFC公理体系

公理0.集合の存在
∃x(x=x)


公理1.外延性
∀x∀y(∀z(z∈x⇔z∈y)→x=y)


公理2.基礎
∀x(∃y(y∈x)→∃y(y∈x)∧¬∃z(z∈x∧z∈y)))


公理3.内包性図式。
任意の式φにつき
∀z∀w1,....wn∃y∀x(x∈y⇔x∈z∧φ)


公理4.対
∀x∀y∃z(x∈z∧y∈z)


公理5.和集合
∀F∃A∀Y∀x(x∈Y∧Y∈F→x∈A)


公理6.置換図式
任意の式φにつき
∀A∀w1,....wn(∀x∈A∃!yφ→∃Y∀x∈A∃y∈Yφ)


公理7.無限
∃x(0∈x∧∀y∈x(S(y(∈x)) (SはSuccessor関数)


公理8.冪集合
∀x∃y∀z(z⊂x→z∈y)


公理9.選択
∀A∃R(RはAを整列順序づけする二項関係)

からなるルールですが、

これらのルールがデファクトスタンダードとして制定された理由とは
実に
この10個の公理は人間の直感的に、明らかに自明で、たぶん正しいような気がするから


ほんっと〜〜〜〜〜にただそれだけなんですよ。(^_^;


むろん
 ・矛盾性の排除(現在までに矛盾を発見した人がいない)、
 ・十分性(集合論の言語はこの10つがあれば全て表現できるし、逆に10個未満では不足する)
 ・正当性(人間の直感的に見て正しく思えるか)
 ・簡素性(できるだけわかりやすく、自明な表現の方がいい)
などについて死ぬほど議論を果たした上で、
この10個が最終的に残った
一番洗練された形となったわけですが。





絶対的な学問と思われていた数学。

でも数学をやってるのは人間なわけで。
ルールを制定するのは人間。
実は結構いい加減なのだ。


だって
  ヒルベルトが「数学はゲームだ。ルールに意味はない」と言っていたし、
  ゲーデルも「ルールに優劣を決めることはできない」と言っていた。

ルールに意味も優劣もないなら、
じゃあ人間が好き勝手選んじゃって構わないよね・・・っと。


うん、これなら両者の言い分に筋は通る!

数学は合理性。
誰しもが納得できる一番普遍な結論に落ち着く。
多分この状態がベストなんだな。



本当にあった現代数学の基礎の基礎。実はこうなってます。

ご試聴ありがとうございました。


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