よくわかるカオスとフラクタル。数学的解法の限界3(2010/01/01)

カオス図:
面白いのはcが3.00を超えた後です。
グラフで見ると線が分岐してますね。

これは値の収束値が二つ以上ある事を意味します。
どういう意味なのか具体的に計算して示します。
c=3.40を取りましょう。
グラフでの対応値はy=0.45とy=0.84。
これらがどうして出てきたかまた具体的に計算します。
- 1.まずはc=3.4と取る。
	
	- 2A.初期値x=0.0は答えが0になるので無視する。
	 - 2B.次に初期値x=0.1と取る。
		
		- 3A
			y(c,x,0) = x
			よって
			y(3.4,0.1,0) = 0.1
		 - 3B
			y(3.4,0.1,1)= c・y(3.4,0.1,0)・(1-y(3.4,0.1,0))
			y(3.4,0.1,1)= 3.4・0.1・(1-0.1)
			y(3.4,0.1,1)= 0.306
		 - 3C
			y(3.4,0.1,2)= 3.4・0.306・(1-0.306)
			y(3.4,0.1,2)= 0.722
		 - 3D
			y(3.4,0.1,3)= 3.4・0.722・(1-0.722)
			y(3.4,0.1,3)= 0.682
		 - 3E
			y(3.4,0.1,4)= 3.4・0.682・(1-0.682)
			y(3.4,0.1,4)= 0.737
		 - 3F
			y(3.4,0.1,5)= 3.4・0.737・(1-0.737)
			y(3.4,0.1,5)= 0.659
		 - ・・・・・
		
 - y(3.4,0.1,36)= 0.452
		 - y(3.4,0.1,37)= 0.842
		 - y(3.4,0.1,38)= 0.452
		 - y(3.4,0.1,39)= 0.842
		 - y(3.4,0.1,40)= 0.452
		 - y(3.4,0.1,41)= 0.842
		 - ・・・・・・・
		
 - どうやら0.452と0.842を繰り返してるようです。
		よってグラフのc=3.4についてはy=0.452の位置とy=0.842の両方の位置に点を打つ。
	 
	 - 2C.次に初期値x=0.2と取る。
		
		- 同様の手順で
			y(3.4,0.2,0) = 0.544
			y(3.4,0.2,1) = 0.843
			y(3.4,0.2,2) = 0.449
			y(3.4,0.2,3) = 0.841
			y(3.4,0.2,4) = 0.454
			y(3.4,0.2,5) = 0.843
			y(3.4,0.2,6) = 0.450
			y(3.4,0.2,7) = 0.843
			y(3.4,0.2,8) = 0.450
			・・・・・・・・・
			y(3.4,0.2,19) = 0.842
			y(3.4,0.2,20) = 0.452
		また0.452と0.842のループに入りました。
		よってグラフのc=3.4についてはy=0.452の位置とy=0.842の両方の位置に点を打つ。
	 - 2D.次に初期値x=0.3と取り、y(3.4,0.3,∞)。
	答えは0.452と0.842のループになります。よってグラフの・・・
	 - ・・・・・・・・・
	
 - 2X.次に初期値x=1.0と取り、y(3.4,1.0,∞)。
	答えは0.452と0.842のループになります。よってグラフの・・・
	 - 
	
 - 終了
	
 - 
	
 - どの初期値xから始めても0.452と0.842のループになります。
	よってグラフ上ではc=3.4地点 → y=0.452&y=0.842の2点になります。
 
 
同様の計算でc=3.48の時は
どのxから始めても収束値は y= 0.395 → 0.832 → 0.487 → 0.869 → 0.395 → ・・・・
の4パターンループになり
グラフの線は対応した4本に分岐します。

次からカオスに入ります。
cの値が増えるにつれ分岐も複雑になり大変な事に・・・!
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