無限にも大きさのランクがある!6(2009/01/01)
さて無限に大きさに上限のない事はわかりましたからそれでは
ω0(可算個無限)とω1(非可算個無限)の間に
両者の中間の無限は存在するか?
と言うのも面白い問題です。
これは連続体仮説(Continuum Hypothesis)と呼ばれやはりカントールによって1860年代に提議され
つい最近の1960年頃にコーヘンが
「存在してても矛盾はないし、存在していなくても矛盾はない」を証明しました。
なんじゃそりゃ。
一般的に数学では全ての事柄は「正しいか、もしくは間違っている」の二択なんですが
「正しくても、間違ってても、どちらでもいい」事柄の存在が初めて示された例です。
なぜそんな事になるかと言うと
ω0とω1の間の無限などと言う概念は
あまりにも既存の数学の理論枠から外れすぎていて
仮にそれを正しいと仮定しても間違っていると仮定しても
影響はないんです。
自然数=ω0と実数=ω1まではわかりますが
その中間の大きさを持つような集合は我々の世界には存在しないんです。
そんな遠い物についてはその存在を
「ない」としても問題はありませんし、
逆に「それはある。だがしかしそれは、見えない、触れられない、我々の世界には関知しない。」としても
問題はないのです。
これ以降数学には「証明可能性」・「無矛盾性の証明」とか新しい分野ができて
数学の基礎に関する大変な発展がありましたがまたそれは別の話・・・
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