無限にも大きさのランクがある!7(2009/01/01)



ここまで数学における無限の扱い・論理・演算・存在を展開してきました。

たぶんある人はそれらを「そんなのは全て机上の空論だ!」と言われるかも知れません。
それもまあ確かに間違いではないです。(^^;
特に「ωω0」辺りからはもう相当怪しいでしょう。(汗)


でもたとえば定規の0cmから1cmの間の線分[0,1](0〜1の間にある全ての数)を考えてみます。
この空間の0と1の間にある全ての数、
それは実数と同じ数=ω1の点が含まれています。
(無理数の存在証明は正方形の対角線をとれば√2が出てくるのでわかる)

なので非可算個無限、ω1までは我々の世界に確かに存在しているんですね。
ω1があるということはそれより下の個数、
可算個無限、ω0も存在しています。

そしてカントールの1:1対応理論により
ω1 > ω0
が成り立ち、ここまでで我々現実の世界に当てはめても無限のランクの関係は成立していることがわかります。

また数学では例えば「ルベーグ測度」などの分野を覗けば
「可算個(ω0)の点を集めても大きさは0だが、
 非可算個(ω1)の点を集めた時に非0の長さができる」
などが当たり前のように定義されてω1>ω0理論が実際に実用化・運用までされてます。
無限についての理論は基数(Cardinal Arithmetic)と呼ばれ今じゃ疑いようのない数学の1分野です。
(これ以上詳しく知りたいときは集合論の本をみてください。)


集合論の発達により公理が完全なシステム化され
「無限」と言う昔は雲をつかむような存在が
今じゃただの1変数と同じように扱えるようになったのは数学の大きな進歩でしょう。

お付き合いありがとうございました。



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