無限にも大きさのランクがある!5(2009/01/01)
前回に
ω0 =可算個無限(自然数の個数)
ω1 =冪{ω0}=冪{可算個無限}=非可算個無限(全ての数の個数)
ω2 =冪{ω1}=冪{冪{可算個無限}} (これ以降は実世界レベルでは相当例なし。)
ω3 =冪{ω2}=冪{冪{冪{可算個無限}}}
ω4 =冪{ω3}=冪{冪{冪{冪{可算個無限}}}}
・・・・
をみました。
じゃあ無限のランクはどこまで大きくなれるかみてみましょう。
まず自然なのは・・・の部分を可能な限り繰り返して大きくしてゆきます。
ω0、ω1、ω2、・・・・・
もういっそωnの極限をとってωω0もアリとしましょう。
(ちなみにω0よりもω1に対して極限をとって
ωω1にすればもっと大きくなると思うかもしれませんがωω1は極限からは作れません。
なぜなら冪集合を非可算個無限回数取ると言う操作は人間には行えないからです。)
さてωω0とか書くと少々わかりづらいですから説明しますとωω0とは
ωω0>ω0
ωω0>ω1
ωω0>ω2
ωω0>ω3
・・・・
のように全ての1〜可算個無限までのnに対して
ωω0>ωnが成立する極限に巨大な無限です。
どんなωnよりも大きいってんでもう呆れるほどに大きい数ですが( ゚д゚)ポカーン・・・・・
いや実はまだ上があるんです。
ωω0があるのなら
ωnのnにωω0を代入してωωω0なんてのを作るのもアリ。(^^;
ωωω0はn=0〜ωω0までの序列に対してωωω0>ωnが成立するバカでかい数です。
もちろんωω0より桁違いに大きいです。
え?じゃあωωωω0もね。(^^;
ωωωωωω・・・・うおおおおおおお
お、おいおい^^;;;;;;;
どこまでも可能です。
ただし数学的にはさっきの
ωωωωωω・・・・
の・・・・部分をω0回数したのよりさらに大きい
「弱到達不可能基数(正則な極限基数)」の壁が存在します。
要するに「無限」が「全ての数より大きい」事が保証されるように
「弱到達不可能基数」はその名の通り到達不可能。
「人間に構築できる全ての種類の無限より大きい無限」が保証されます。
人間には何をどうやっても決して構築する事ができない、無限の中でも一線を画す異次元サイズです。
またしても人間は釈迦の掌でしかなかったのです!
「人間に構築できる限界」とは何かと言うと整数無限=ω0から来ています。
冪集合であれ関数であれ無限列であれ
無限列の極限からのフィードバックであれ
全ての事は「1操作」であり
人間には「1操作+1操作+1操作+1操作・・・」の最終的には何らかの操作をω0回行う程度の事しか許されません。
これが人間に構築できる無限の限界であり、
「弱到達不可能基数」はω0回程度の数学操作じゃ絶対に到達できないレベルの巨大な無限であることを保証します。
更に「弱到達不可能基数」をも越える
「強到達不可能基数(∀λ<κ(2λ<κ))」もあります。
定義を読むと「既存の全ての無限からは決して到達のできない新次元の巨大さ」とも言うべきで
平たく言えば「強到達不可能基数(自分自身と同サイズ)未満の数からは何をどうやっても構築できない」とも読めます。(^^;;;
(これら弱・強到達不可能基数が実際に存在するかどうかは別問題です。
定義における性質が保証されるような「超無限」をあくまで公理として強引に作ってしまうんです。)
また使用する公理体系によっては強到達不可能基数=弱到達不可能基数になるケースもあります。)
・・・大体ここらが数学的な考察余地からみた存在の限界です。
これ以上の無限も作れる事は作れますがそうなると
ただ単に「(ある)強到達不可能基数と比較して確実に大きい」事を保証するだけの
ほとんどただの言葉遊びに近くなってあまり面白くはありません・・・(´д`;
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