数とは何か。数学V宇宙の脊髄を自然数が走る。 第1章



現代数学の基礎は「集合論」と言う物をベースに作られています。
数学のすべては元の元の元の・・・・をたどって行けば
必ず集合論に行き着きます。


例えば以前書いた「ガロア理論と、5次元方程式の解法の不可能性のお話 だと
  5次元方程式の解法はなぜ存在しない(ルートと四則演算を使うだけの表現じゃ書けない)?
についての証明を書きました。

簡単にまとめると「五次元方程式のガロア群はS5を作る。S5→A5は〜」
が理論のキモに当たるわけですが、ここで数学で「群」と呼ばれる物が出てきました。

群とは何か。
群とは『集合』+以下の性質を持つ演算・によって構成されます。
と、ここで『集合』と呼ばれる物が出てきました。ヒット。


他には別の超有名な数学の問題と言えば
 1+1=?
とか。

答えはもちろん2。
これはまあ直感的な答えですがもし
  1+1=2 を証明せよ。
と言われたらどうやったらできるのでしょうか。

余りにも自前過ぎて「明白」と言う他はないような気もしますが
・・・実はあるんですね。これがまた集合論。

「数の世界、および法則」と言うのは「集合の世界、および法則」の一部分であり、
数とは集合の特殊なケースとして成立するので
数よりも下位の理論、集合論を使えば
  1+1=2
の証明も作れるんです。
(あまりにも専門的な話になりすぎて集合論の導入や用語の定義、そして証明まで数十ページは必要になるのでここではしませんが)


では逆に「1+1=2」と言う物を公理として与えられたとして、
そこから集合論は証明できるでしょうか。

答えはできません。
『集合論→「1+1=2」』は証明できるのですが
『「1+1=2」→集合論』は成立しないのです。

このように集合論を使って他の理論を証明する事はできますが、
他(集合論より上位の)の理論を使って集合論を証明する事はできません。
だからこそ集合論は数学での根幹の根幹、一番下の原理に位置していると言えましょう。


次にこの集合とは何かを説明してゆきます。


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