「萌え絵の科学 ハウツー描く カラー3・仕上げ編 (2018/10/06)」


萌え絵の描き方 第五弾。仕上げ編です。

  • 化粧

    最初のモデルに
    化粧 (チーク・赤面・//)。
    それに瞳を入れた後です。
  • 衣服のシワ

    絵を描いてみるとわからない事の一つに
    「衣服のシワ」の描き方、発生の仕方があります。

    原理的には:

    衣服の布は必ず体のどこかに接地しております。
    (そうでないと地面に落ちてる)

    具体的には肩、腰、胸、肘、膝など、人間の出っ張り部分に接地します。

    ・そして布が接地してる場所は一番タイト。シワは全くできません
    ・接地点から遠くなるにしたがって、布が余ってきてシワが発生します。



    これがシワの原理なので、
    理論的には布が体のどこに接地してるか~、
    どこが接地点から遠ざかってるか~、
    を考えればシワは描けるようになります。



    が!
    これはあくまで基礎的な考え方であって、
    本当に衣服のシワの描き方を勉強したいなら
    専門の本(2000円~)を買ってください。
    とてもここ1ページでは説明しきれません。

    シワの描き方は誰しも悩むジャンルなので
    書店の絵描きコーナーに行けば絶対に売ってます。
    私も本を買って勉強しました。(^^;
  • 背景

    カラーリングも一通り終わったので
    ここらで一息。
    背景を入れます。

    とりあえずここでは

    水彩・マーカーなど
    揺らぎのある画材で
    イメージカラーを塗って、

    漫画でよく見る
    ロマンチック○を
    加算(発光)を重ねてみました。
  • 主線を太く、赤く


    主線を味付けします。

    1.主線を黒(0,0,0)から赤黒(90,20,20)に変更

    真っ黒よりも赤を混ぜた方が絵に
    味わいが出るような気がします。


    2.主線レイヤーを複製&ぼかし5px

    主線がはっきりしすぎてると
    設計図みたいで冷たい
    印象になるので、
    主線はややぼやけさせた方が
    いい感じ。



    一般的には線は太い方が
    絵が良く見えます。

    よくわかんなんなかったらとりあえず
    太い線で絵を描きましょう。
    細い線よりかは上手に見えます。(^^;
  • スキン発光


    顔の肌の周りに
    ちょっとだけ黄色で
    ハードライトを塗ります。

    特に
     「髪の毛より手前に、肌の色が出る
    のを意識。


    これは髪の毛は細長いワイヤーの集まりなので
    実際はその下の肌の色が透けてちょっと出る。

    かつ、健康的な人間の肌は
    光を反射・拡散させる作用があるので、
    周囲に肌色をばらまく。


    二種類の効果を表現してます。
  • 散乱光


    髪の毛や衣服などの周りにハードライトで
    同色を塗ります。

    これは髪の毛、衣服などは
    光を反射・拡散させるので
    周囲に同色をばらまく効果を
    表現してます。
  • 下面反射


    人物の下から白(発光)を入れます。

    これは光源が地面・床に
    反射して、下からサブ光源が
    出現した効果を表現してます。

    と、同時に全体像に
    グラデーションをつけて
    色の変化をつけてます。
  • 爪赤


    指先に赤でハードライトを入れます。

    女性のマニキュア(赤)と同じ原理でしょうか。

    指先が赤い → 血が通ってる → 健康的
    みたいなファクターがあるので
    私は入れることにしてます。
  • ハイライト戻し


    この絵では
    髪にハイライトを強く入れているため、
    画面が白っぽくなり、
    カラフルさが失われたと感じました。

    そこで色の損失を取り返すために
    ハイライト境界線に
    また色を描き足してます。

  • 素材・テクスチャ


    キャラが着てる衣服の素材、
    テクスチャをちょっと考えます。

    例えば
     ・デニムの繊維は荒い。糸までちょっと描写した方がいい。
     ・シルクの繊維は細かい。テカテカ表現を入れる。
     ・薄手の素材なら中身が少し透けるはず~
    みたいな。

    まあ今回はドレスの素材は綿。特に特徴のないスタンダードな布と推測されたので
    布のテクスチャは何も入れませんでしたが^^;


    そのかわりキャラにドメスティック・バイオレンス設定が(おいおい)
    あるので全身に青傷を追加。


    テクスチャ(=ディテール)は
    「なんか絵がのっぺりしてるなー」と感じる時に
    とりあえず何か描きこんで
    画面を埋めるテクになるので
    覚えておくと便利です。
  • ペンタッチ


    最後の仕上げ。
    ペンタッチを入れます。

    やりかたは:
       
    • 強いシャドーが発生してる所  
    • 強い奥行き段差が発生してる所  
    • 強いシワが発生してる所  
    • 強調したいパーツ  
    • ここまでに描き忘れていた線^^;
    など多岐にわたります。

    ペンタッチに関しては決まったマニュアルがないので
    純粋に経験値勝負です。

    過去の記憶の中から、
     「~こういう時にペンタッチを入れたら絵が良くなった」
    自分なりのノウハウを拾い出して
    絵に注入します。



    ここが一番好きな作業ですねー。

    ←の比較を見ればわかるように
    ペンタッチを入れると画面に
    俄然とメリハリが出る。
  • 原画を消す


    私の場合はこの時点で
    ようやく原画を消します。

    理由としては原画の段階で
    絵の設計図が全て含まれているので、

    最後まで残して
    画面に置いておくほうが
    作業の方針がわかりやすいからです。


    あと、制作作業途中の絵はとてものっぺりしていて、
    とても下手に見えます。(^_^A;
    鉛筆原画を置いておくと「下手に見える」度が緩和されるので気持ちが楽になります。
  • セリフ入れ

    絵の作業が終わった所で
    セリフ、タイトル、
    キャプション、ページ数
    など絵以外の要素を入れます。
  • 最終チェック

    最後のチェック。
    今までにやった
       
    • ペン入れ  
    • メインカラー  
    • シャドー  
    • ハイライト  
    • 化粧  
    • 瞳  
    • 主線  
    • スキン発光  
    • 散乱光  
    • 下面反射  
    • 爪赤  
    • ハイライト戻し  
    • 素材、テクスチャ  
    • ペンタッチ
    全ての工程を振り返って、

    少ない所があれば足す、多すぎる所があれば減らす。
    自分なりに満足のできるバランスまで調整します。
  • ポストエフェクト



    全てが終わったあとに
    絵にポスト・エフェクトをかけます。

    例えば↓のような

    流星画像を「スクリーン効果」で
    重ね合わせれば
    ←のような やや印象的/ロマンチックな
    表現が出来ます。

    他には画用紙エフェクトとか水彩エフェクトとか・・
    この絵にはこのエフェクトが似合うな~ってを選んで
    かけると絵をドレスアップできます。

    どんなポスト・エフェクト集があるかは
    自分の好きな絵師さんの絵を見て
    真似してください。^^;
  • レンダリング~終了

    一枚の絵が完成するまでには
    40~100枚のレイヤーを使います。

    最後にそれらを一枚に統合。

    配布用のJPGへとレンダリングして
    ようやく終了です。


    お疲れ様でした!

    次回はおまけ。使用機材・ソフト・環境編