「萌え絵の科学 ハウツー描く カラー1・MSH塗り編 (2018/09/22)」


萌え絵の描き方 第三弾やります。

当初では三部作で終わる予定だったのですが、
予想以上に分量があったので(;´Д`)
カラー編は3つに分けて全5回とします。

萌え絵の科学 ハウツー描く カラー1・MSH塗り編

  1. 最終目標

    ←を最終目標に、
    何を考えながら描いていたか
    説明してゆきます。
  2. ラフ画
    前回描いたラフ画です。
    ここからスタートします。
  3. ペン入れ

    ペン入れをします。
    このペン入れ工程がCG描きの中で一番面倒くさい。(^^;

    ←を見ると簡単に見えるのですが
    いざ自分でやってみると:

      ・ 必要な線は上書きし、不必要な線はスルーする。
       自分が今どこで何をしてるのか考えなければいけないので
       それなりに頭を使う。

      ・下書きをペンできっちりなぞる作業は意外と難しい。

      ・結構時間かかります。10~60分ぐらい。

      ・その間ひたすらなぞる、なぞる、なぞる。

    見た目よりもずっと難易度は高い。その割りには地味。
    イラストを描き始めた頃は
    とてつもなく苦痛に感じる時間帯だと思います。(;-_-

    慣れるしかないです。
  4. ベクターレイヤー

    ペン入れには「ベクターレイヤー」を使います。

    ラスタレイヤーとは:
    ペンの入力をドット単位で記録する方式。

    ドット単位で描けるので
    表現力が高く、一番使われるレイヤー方式。
    だが塗りつぶしツールを使った時には髪の毛の先っぽなど、
    細い領域でドットが潰れて必ず塗り残しが出てくる。


    ベクタレイヤーとは:
    ペンの入力を「始点~中間~終点」の線情報として記録する方式。

    理論的には(線の中心)0ドットで記録してるので
    ドットのぶつかりがなく、塗り残しが発生しないので
    この次に来る塗り分け工程が楽になる。


    主線にはベクタレイヤー、
    塗りにはラスタレイヤーと使い分けるのが良いです。
  5. 色分け

    絵を色毎に分解します。

    この場合は元絵に
    髪、服、ボタン、肌、白
    の5つのパーツ、5つの色があったので

    対応する5つのレイヤーを色分けフォルダ下に作成。

    次にそれぞれのレイヤーに塗りつぶしツールで
    色をつけます。


    この時点では色は何でもいいです。

    「確かに塗りつぶした」ことを示すための
    適当な色をつけておきます。
  6. 色を白へ

    さきほどの色分けで
    生成した5レイヤー(髪、服、ボタン・・・)を
    「描画色の変更」機能で
    白一色に塗りつぶします。

    ← この場合は分かりやすいよう
    薄い青で色付してますが
    本当は全て白です。
  7. 透明領域のロック

    各レイヤーに
    「透明ピクセルのロック」を
    かけて領域を固定します。


    ロックしておくと
    はみ出しを気にせず塗れるようになります。
  8. 四層構造

    色分けフォルダーを(複製&リネーム)×3回行い、

    □ハイライト
      ホワイト
      髪
      服
      ボタン
      肌
    □シャドー
      ホワイト
      髪
      服
      ボタン
      肌
    □メインカラー
      ホワイト
      髪
      服
      ボタン
      肌
    □色分け
      ホワイト
      髪
      服
      ボタン
      肌

    のような四重構造を作ります。
  9. 色分けフォルダは隠す

    色分けフォルダを非表示にします。
    色分けレイヤーはあくまで色分けを示す目的。
    実際のペイントには使いません。

    (あとメインカラー塗りで失敗した時や、やり直したい時の
    リセット用としても使えるので
    無着色の状態は残しておいた方がいい)
  10. メインカラー入れ

    着色開始。

    メインカラーフォルダの各レイヤーを、
    塗りつぶしツールで
    それぞれの色に着色します。
  11. シャドー入れ

    さて、ここからが難関。(^^;

    イラストを描き始めた頃は
     「どこにどうシャドーが入るのか、入れたらいいのか。全くわからな~~~い
    状態になると思います。

    シャドーの原理を説明しますと:

    光源からは平行ライトが発生して地上に降り注ぎます。
    ライトが途中でなにかの物体に当たり、ライトが届かなくなった
    場所が影=シャドーを入れるべき場所となります。

    とは言え!

    原理を説明された所で何がなんだか。
    最初は全く意味がわからないと思います。^^;


    一番わかりやすい考え方としては
    このように足を円柱と考え、
    円柱ならこんな風に影があるよね~
    と塗ります。

    同様に頭・腕・指・胴体など人体の大半は円柱と考える事で
    簡易的なシャドーを入れることができます。


    全てのシャドーは「光が◯◯にブロックされて届かない場所」で
    説明できるので、一度原理さえ理解しちゃえば
    わりとオートマチックにシャドーの発生場所はわかるようになります。
  12. ハイライト入れ

    ハイライトもライティングを考えます。

    平行ライトの中心には光源があります。
    (光源がライトの発生源なので)。

    光源はとても強力なので白色をしています。

    その白色ライトのぶつかる場所が
    ハイライトになります。


    これもわかりやすい考えとしては
    足を円柱と考え、
    「円柱ならこんな風にハイライトがあるよね~」
    と塗ります。



    ただしハイライトはシャドーよりも複雑です。
    その理由としては光が材質に当たり、吸収・反射・拡散して
    光が変形するからです。

    特に髪にできるハイライトは100人の絵師がいれば
    100通りのバリエーションがあるぐらい千差万別。

    複雑過ぎてセオリーがないので、逆に言えば自由に
    塗れる場所でもあり絵柄の個性が出ます。
  13. 基本カラーリング終了

    これで基本的な着色作業は完了です。

    「メインカラー」「シャドー」「ハイライト」のMSH三色塗りは
    アニメ絵塗りの基本です。

    これより複雑なイラストでも
    「シャドー2」「ハイライト2」など
    もっと段階を細かく入れてゆくだけで
    本質的な考え方はMSHと同じです。


    次章では顔の着色(化粧)に入ります。