「数学パズル ボルツァーノのパズル 解法編 (2023/08/12)」


ボルツァーノ=ワイエルシュトラスの問題:
  0.0~1.0の間に、∞個のランダム数値を用意したら、
  
  1. とある区間[α,β]内に∞個の数値が集まってるゾーンが必ず出てくる。
  
  2. そして区間のサイズ、β-αの値は任意の幅まで狭める事ができる。
    (狭めた後でも、区間[α,β]の間には∞個の数値が存在する)
  
  3. 究極的にはβ-α=0。つまりα=βまで狭める事によって
    無限の点が収束するポイントがある。
    
  何故でしょう?







証明編!

・区間をA=[0.0 , 0.5] ,B=[0.5 ,1.0]に二分割する。
  [0 , 1]の間には∞個の要素があるので、AかBのどちらかは絶対∞個になる。




仮にAが∞個の方だったとする。




・区間をA=[0.00 , 0.25] ,B=[0.25 , 0.50]に二分割する。
  [0.0 , 0.5]の間には∞個の要素があるので、AかBのどちらかは絶対∞個になる。




仮にBが∞個の方だったとする。

・区間をA=[0250,0.375] ,B=[0.375,0.500]に二分割する。
  [0.25 , 0.50]の間には∞個の要素があるので、AかBのどちらかは絶対∞個になる。





・・・この二分割を繰り返すことによって、
  区間[α,β]の幅を任意の幅以下まで追い込めます。
  なおかつ[α,β]の間には常に∞個の要素がある。
  


証明完了 □。

素晴らしく、エレガントな解答ですね。



数学ではこれを
  ボルツァーノ=ワイエルシュトラス (Bolzano-Weierstrass)の定理
     ‘every bounded sequence has a convergent subsequence’.
  (あらゆる有界なシークエンスは、
 特定の値に収束するサブシークエンスを持つ)
と呼ぶ、カッコいい名前がついてます。



わかりやすく言えば。

例えば円周率
  3.141592653589793238462643383279502884197169399375105820974944592307816406 2862089...
を10桁ごとに区切って、
[0.0~1.0]の範囲に丸めてやる

0.3141592653
0.5897932384
0.6264338327
0.9502884197
0.1693993751
0.0582097494
0.4592307816
0.4062862089
.....

   ↓

するとこれらの数列は、必ず
  [α,α+0.0000000.....1]
のどこか一点αに、
∞個の数値が詰まってる。
そのような収束点が絶対に出てくる。




この結果は結構・・・『意外』ですかね。

「ニ等分システム」を知った後では、
確実に収束するってわかるのですが。

それを知らなかったら、
 収束するか/しないのか。
ちょっとわからないレベルだと思います。
 (だからこそ『定理』として残されてるのでしょう)