「高いスピーカーと安いスピーカーの違いを科学的に調査 (3) (2019/08/13)」


前回の復習:
理想のスピーカーとは
  入力=出力になる。完全フラットな特性
を持つスピーカーである。

なぜなら、入力と同じ波形を出力できるなら
あらゆる楽器の音を再現できるから。

それを踏まえた上で各スピーカーの測定結果を見てゆきましょう。



まずは一番高いスピーカー Radius90 (80,000円)。


グラフの解説:
いい意味で「特徴がない」。
つまり特性がフラット寄りであり、
原音をわりと忠実に再生できる優等生ちゃんです。

実際に耳で聞いた感想:
このスピーカーが一番いい音に聴こえる。



パイオニア S-CN301-LR(15,000円)

グラフの解説:
Radisu 90に比べると
形がだいぶギザギザしてるのがわかります。

つまり一部の音を出すのが苦手で、
周波数によって音量が大きくなったり低くなったりする。

さらに紫のグラフに注目。
音を出したときに、その周辺まで明るくなっています。

つまり、とある音を出すと、その周辺の音まで
引っ張られて出してしまう。
シャープさが足りない。若干ボヤけた音になります。


実際に耳で聞いた感想:
重低音が大きく聴こえる。いわゆるドンシャリ。

Radius90に比べると若干音声がモゴモゴ。聞き取りづらい感がある。

言うて10,000~30,000円クラスのスピーカーは
全部この傾向があります。どのメーカー、どのモデルでもそう大差はないでしょう。




JBL Pebbles USBスピーカー (7000円)。

グラフの解説:
これもギザギザ。。
さらに400hz付近と1000Hzにピークがある。

紫。音の立ち上がりと抜けの瞬間に隣に音飛びする変な
挙動がある。

これは・・・スピーカーの重量が足りてませんね。
キャビネットが軽すぎるせいで
共振して関係ない音まで出てしまっている様子です。

実際に耳で聞いた感想:
これまたドンシャリです。

音の傾向はパイオニア S-CN301-LRと似てますが、
無音時に若干「サー」ってホワイトノイズが出てる。

アンダー10,000円製品は
総じてノイズに対して無頓着。

再生時には気にならないのですが
無音時にノイズが出てるのがわかる。



タブレット

グラフの解説:
波形は綺麗でフラットですが、
低音・高音が全くと言っていいほど出てない。

紫。はっきりと共振が鳴ってるのがわかる。

実際に耳で聞いた感想:
低音が出ないのは承知で、
中音の領域でフラットになるよう
割り切った音作り。

重低音の迫力はまるでありませんが
音声などは聞き取りやすい。
これはこれであり。



まとめ:


結論:
高いスピーカーと安いスピーカーではやっぱり
違う音が鳴っていた!


高いスピーカー:
・特性がフラット。
・オールラウンダーで弱点がない。
・指定した音を、指定した音量で鳴らしてくれる。
・原音に忠実なのでクリアに聴こえる

安いスピーカー:
・特性がデコボコ。
・ドンシャリ (低音と高音が強い。中音は弱い) 寄り
・音量が不安定。聞き取りやすい音と聞き取りづらい音の格差がある。
・指定した音以外も出てる。
・色々とノイズ。違う音が混じってるので音声が若干モゴモゴする。

スマホ・タブレットスピーカー:
・低音・高音は完全に出てない。
・最初から低音・高音を捨てて中音に割り切った作り。
・中音の範囲ならわりとフラット


以上。値段によるスピーカーの違いを測定してみました。

実際に耳で感じる差異を
科学的な結果として実証することができて
とても有意義だったと思います。


オーディオ誌・レビューもこれぐらい客観的なデータと言う形で
検証してくれたらなあ・・・