「数学コラム 巨大有限数のお話(18) Rayo数の強い拡張 ふぃっしゅ数 (2019/07/18)」


現在、Rayo数(2007年)より大きいとされる数は
ふぃっしゅ数(2013年)です。


(正確には『ふぃっしゅ数シリーズ』の7番目、『ふぃっしゅ数7』ですが
 ここでは表記を簡略化するため『ふぃっしゅ数』と呼ばせていただきます)


ふぃっしゅ数の特徴は、
  Rayo数の定義 + 
"f(a)=b" : the ath and bth members of the sequence satisfy the relation f(a)=b"
なる一文が追加されたのが特徴です。

この文章が何をやってるかと説明しますと・・・



『関数』を導入しています。

Rayo数は

int Rayo()
{
   ~
  10100文字
  ~
  return x;
}

のように大量の文字を使って巨大な数を作り出す方法です。

この~の中身は
 0123456789 + - * /
のようなシンプルな言語。
いわゆる電卓で叩ける文字と思って構いません(※)。

(※実際には違います。あくまでRayo数とふぃっしゅ数の違いをわかりやすく説明する為の
 便宜上の表現)

関数呼び出しは使えません。


なぜ関数が使えないか。

それは単純にRayo数が文字数の多さでゴリ押しするタイプの巨大有限数なので、
10100文字用意すれば
電卓言語でも全然構わない。
それだけでも世界レコードを取れるので
物事をシンプルにするため簡単な言語に絞った結果です。



それに対してふぃっしゅ数では、

int Fish()
{
   int i= Rayo();
  ~
  Rayo文字数
  ~
  return x;
}

のように関数を導入する事で
Rayo数では10100文字必要だった記述を
たった1~10文字程度に圧縮します。

その状態で、さらにRayo文字数を並べて
巨大な数を作る手法です。



これは・・・デカい。

前回作った
  Rayo数Rayo数Rayo数 ...(ω回)... Rayo数1
みたいな数がふぃっしゅ数言語だと
たった「100文字程度」にしかなりません。^^;
本一冊ひたすら「Rayo ....Rayo ...Rayo」と書き続けて10万 = 106文字。
1TBのHDDに「Rayo ....Rayo ...Rayo」で埋めて1000億 = 1012文字。

ふぃっしゅ数は少なくとも10100文字数はあるので
も~ どうやっても無理。


ふぃっしゅ数とは、
 「人類の表記できる文字数程度では、関数やショートカット表記を使っても、絶対に記述できない。
 絶対に絶対に。ぜーっったいに記述できない巨大な数

を生み出してゆくシステムと言えましょう。



・・・
・・

が!
これでもちょっと弱い。

言うて関数とはあくまでショートカット表記であり、
本質的には関数がなくても(十分な文字数さえ費やせば)
表現はいつでも可能です。

改良度合いとしてはRayo数1.1ぐらい。

Rayo数以上の、新しいカテゴリを生み出すほどの
インパクトにはまだ
ちょっと足りなかったと言った所でしょうか。