「数学界で近年見つかった、TREE(3)と言うウルトラ巨大な数 7 (2019/01/27)」



数学界で近年見つかった、TREE(3)と言うウルトラ巨大な数についてのお話7 ランク10~16まで



巨大有限数 ランク10~16まで解説しちゃうよー ノシ

おさらい。
巨大数ランク表:

ランクカテゴリ名スケール相撲スケール
0特になし10一般人
1特になし1,000,000序の口
2特になし101,000,0002序二段
3特になし10101,000,000三段目
4特になし1010101,000,000三段目
5特になし101010101,000,000三段目
6Tetration10↑↑10幕下
7Up-arrow10↑...(1,000,000個)...↑10十両
8Linear omegafω+1前頭
9Quadratic omegafω2+1前頭
10Polynomial omegafω3+1前頭
11Exponentiated linear omegafωω+1小結
12Exponentiated polynomial omegafωωω+1小結
13Double Exponentiated polynomial omegafωωωω+1小結
14Triple Exponentiated polynomial omegaffωωωωω+1小結
15Iterated Cantor normal formfω...(1,000,000個)...ω+1小結
16Epsilonfε = fω...(ω個)...ω+1関脇
17Binary phifεの次のシンボルζ。その次のシンボルη、その次・・と増えてゆく。大関
18Bachmann's collapsingfψ(1,0.....0,0)横綱
19Higher computablefθ(x)優勝
XXUnreadable不明人間じゃない
ZZUncomputable計算不可能。生物じゃない


前回まで勉強した事:

ランク8:
  名前:Linear omega
  サイズ:fω+1

ランク9:
  名前:Quadratic omega
  サイズ:fω2+1

これ以降も手短に説明します。



ランク10

  名前:Polynomial omega
  サイズ:fω3 ~ 1,000,000~+1

ランク9とランク10の差はあまりないです。
いやもちろんランク10も、ランク9なんかお話にならないすさまじい巨大さになって行くのですが、^^;
それでもランク10→ランク11間の開きに比べるとそう大した変化ではない。





ランク11

  名前:Exponentiated linear omega
  サイズ:fωω+1(64) = fωグラハム数~+1
  
これはデカい。  
ベキ乗部分にωが入った。
つまり
  FGH式ルール:ω(α)を見かけたらα(α)を代入できるルール。
によって
  ω=グラハム数
などを代入できるようになったので
ランク10に比べると圧倒的にパワーアップしてます。




ランク12

  名称:Double Exponentiated polynomial omega
  サイズ:fωωω+1
  
ランク11に比べると二重ベキ乗になってます。
うーん、これはランク10→11の劇的な変化に比べるとそこまでのインパクトはないかなー




ランク13

  名称:Double Exponentiated polynomial omega
  サイズ:fωωωω+1
  
三重ベキ乗。大した変化なし。




ランク14

  名称:Triple Exponentiated polynomial omega
  サイズ:fωωωωω+1

四重ベキ乗。大した変化なし。




ランク15

  名称:Iterated Cantor normal form
  サイズ:fωωωω...(1,000,000個ぐらい)...ω+1

1,000,000重ベキ乗。
二重も三重も四重も1,000,000重も、そう大した変化はないです。

少なくとも次のランク16以降に比べれば。



ランク16







  名称:Epsilon
  サイズ:fωωωω...(ω個)...ω+1

ここでまた急にバカでかくなる。

ω重のベキ乗になっと言うことは、
FGHルールを適用して「ω=グラハム数」などが代入できる。
つまりグラハム重ぐらいの数のωタワーが重なっているので
ランク15の1,000,000重なんかよりは遥かに圧倒的に大きくなった。

そして、我々はここで大きなターニングポイントを迎えます。

もう数式の全ての場所にωを使ってしまったので、^^;
数をこれ以上大きくすることができない。
ついに新しい記法を導入する必要が出てきました。

それが
  ε(エプシロン)0 =   ωωω...(ω回)...ω


数学に詳しい方ならピーンと来るかも知れませんが、
  ε = ωωω...(ω回)...ω
  = 到達不能無限
を意味するシンボルです。


注意してほしいのですがこの有限巨大数のジャンルに置いては
  ω,ε = 無限
ではありません。あくまでたかが有限の数。

ですが、
  無限ε >>>> 無限ω >>>> ω未満の全ての数
  有限ε >>>> 有限ω >>>> ω未満の全ての数
のように、両者の立ち振舞が非常に似てるので
無限の考え方をそっくり有限にインポートするのが賢い方法ではないだろうかと言う推測が
ω,εを有限巨大数にも使うように成った理由です。

繰り返しますが有限巨大数のコンテキストにおいてはω,εは有限のサイズを示す。
あくまで便宜上の記法です。お間違いなく。





で、このエプシロンε=ε0はランク16の一番最初。

つまりεより大きい、
 ε1、ε2、ε3...
シリーズがこのあと始まり、ランク16にはまだ先があるのだ。^^;

さらにランク17になると
  εより根本的に大きいζシリーズ、
  ζより根本的に大きいηシリーズ。
などが出てきてランク16よりまた大きくなる。


さらにランク18。
ここに来て巨大さのレベルはウルトラ跳ね上がり、
ランク17以下がゴミカス。^^;

それどころか今までの巨大化プロセスとは根本的に違う。
もはや「前回までに作った物を元に、さらに巨大にする」のような
巨大化手法論では
到達できないほど異次元的にデカい。尋常じゃないサイズが出てくる。

次回そこんところを説明します。