「けものフレンズ大騒動 私的まとめ & 私的スタンス (2017/10/03)」


さーて、けものフレンズ騒動もちょっとは落ち着いて情報が出てきました。
何が起こってるか個人的まとめ。

(10/05 内容を追記/微修正。追加事実を加えただけで内容は変わっていません。)





まず第一に。

Q.「けものフレンズ」は、誰の所有物?

A.けものフレンズ製作委員会である。
たつき監督、アニメスタッフ、アニメスタジオでは「ありません」。

アニメスタジオの仕事は
 「けものフレンズ TVシリーズ1~12話を製作し、委員会に納入すること
であり(その時点で仕事の対価は払われる)、
納入した後は製作委員会が販売し
独占的に利益を得る。

仮にけものフレンズが100億の純利益を出そうとも
アニメスタッフには一円も入りません。

それは逆に、アニメが赤字で10億円の損失を出そうとも
損失は全額製作委員会が持つ。
スタジオには一定の給与と報酬が
支払われ必ず黒字になる保証があります。

製作委員会とアニメスタジオはそういう契約を結んだ上で仕事をしているので
それ自体は何も悪い事ではありません



Q.たつき監督。何がアウトだった?
A.恐らくはけものフレンズ12.1話「ばすてき」。
   監督が製作委員会を無視して勝手に作った事が原因と推測されている。


この作品は「irodori」というたつき監督の別名ハンドルネームで投稿されている。
すなわち監督自身がクリエイターとして投稿した作品である。

しかし前述の通りけものフレンズの権利は製作委員会が100%持っているので
監督であろうともタッチはできません。

勝手に作品を作れば製作委員会が権利を持つキャラクター権の侵害、無断盗用であり重罪です。

なおかつ監督がけもフレを自分自身「irodori」の名前で私物化しようとしたのも
火に油を注いだ。


Q.じゃあ監督はどうすれば良かったの?

もし仮に監督がけものフレンズの製作にタッチしたいのであれば
監督も製作委員会に自腹を切って出資すべき。

実際は出資しておらず、
監督が出資金も出さずにノーマネーで
「けものフレンズ」の作品を作り始めたことに
委員会が激怒。解雇につながったと思われる。




ここまでは純然たる「契約と違反」の話。
なので

Q.では、製作委員会が正しかった?

と聞かれたらほぼ確実に「イエス」。

法律・契約ですからね。
ルールを破った監督が悪い。
委員会が激怒して解雇したのも、
正当な行為だと思います。


けものフレンズファンがどれだけ怒ろうとも
製作委員会が涼しい顔してるのはそのためでしょう。
正義は我にあり。



そもそも。アニメはリスキーなビジネスです。
作品が当たれば超デカいけど、外したら大赤字。

製作委員会はそのリスクを負ってまでギャンブルに投資してるわけです。
だから当たれば儲けを製作委員会が全額徴収するのもいわば当然。

けものフレンズの関連作品、グッズ、映像を作りたい。
けもフレ利権にあやかりたいというのであれば
委員会にお金を払って許可を得なければなりません。

たとえクリエイター本人であろうとも、勝手に関連作品を作るのは
キャラクター権の無断盗用。そのうえの私物化。
(委員会側の立場からしたら)とても悪質な行為に当たります。

そういう仕組みなのだから製作委員会も一歩も譲る気はないのでしょう。
筋は通っています。



さてここからは私の個人的な意見。 

Q.では、製作委員会は「賢かった」?
と聞かれたらノーですね。


現実問題として
この「たつき監督解雇」騒動のせいで
けものフレンズ プロジェクトは全部おじゃん。
アニメ二期にグッズ展開。
今後のけものフレンズ版権で得られる利益は壊滅的に失われました。


・・・・・・ん?
それって・・・・おかしいよね。(^^A;

そもそも製作委員会ってのは
アニメを作ってお金を儲けたいから
結成するんです。

自分で自分の利益をぶっ潰しちゃったじゃないの。

違反者を罰する事はモラルとしては正しいが
理にはかなっていない




Q.じゃあ製作委員会側は、どうすれば良かった?
A.→ 今回の違反は見逃す方が得をする。
これは単純に

選択A:違反は見逃さない → 解雇&大騒ぎ → 二期壊滅 → 0円。

選択B:違反は見逃してやる → 二期も作成して → 今後数十億円の売り上げになる

この二つを天秤にかけた場合どっちを選ぶべきか。
シンプルな話です。


けものフレンズ製作委員会 & 角川株式会社は
厳格な会社なので規律を優先して前者を選んだようですが。

それは果たして賢い行動だったのかなと
私は思うわけですよ。



本来は「自分たちの利益を守る」、そのために「盗用禁止」などのルールを作り、
契約を交すんだよね。

契約を厳格に適用して「盗用禁止」な監督を解雇したせいで
今度は自分たちの利益を失ってるって・・・
それは運用がおかしくないかい?

違うでしょ。ルールを守らせるのが最優先になって
利益を失うって本末転倒の使い方。




もう一度言いますわ。

今回の騒動は
 選択A.厳格にルールを守らせた結果プロジェクトは壊滅。今後の儲けを0円にする。

 選択B.本当はルール違反だけど見逃してやる。
   製作委員会としては顔に泥を塗られる屈辱的な行為だけど・・・黙認。
   その代わりに、数十億円の利益を自分たちの手元に持ってきてくれる優秀なクリエイターを続行させ
   実利を取る。



どっちの選択をするのが
製作委員会&角川にとって金になる。得をする話か。
たったそれだけの事。


ここまでの判断材料を与えられた上で
まだ前者を選ぶのなら私は何も言いませんが。

違反者は全て罰して退場させる。例外はない。
ルールを守る為なら、利益は全て捨ててもいいです。
重要なのはルールを守ること。利益ではありません。
それが製作委員会の仕事なんです!

・・・へー。そうなんだあ。


個人的な感想。