1+2+3+・・・・ = -1/12 日記



「買い物:ロジクール K380 (2016/11/07)」


ロジクールのキーボードK380を購入。


・・・うーん。正直キーボードとしての出来はお勧めしない。(^^;


悪い点:
とか色々おかしい。
ロジクールは何故か「無駄な独創性」を出したがる所がある。(汗)



しかし良いところもあります。

良い点:

この機能が欲しかった。

まあまあ。
これ一台であちこちのデバイスに
接続できるモバイルキーボードと考えれば
多少の不便さは目をつむって、良しとします。



「統計学的に考える、チーターの見破り方 (2016/11/09)」


今日のCG。科学と3ステップ。



さーて混乱を極める将棋界。(´д`;

チーター肯定派は「疑惑の差し手Xとソフト推奨手の一致率は90%だった。普通のプロは50%前後。この数値は高すぎる」を根拠にし不正を主張。
チーター否定派は「一致率が高いのは偶然にすぎない。最善手を指し続けたならそういう試合も出てくるのは自然な現象だ。」を根拠にし潔白を主張。
2016年11月。いま両者は真っ向から言い争ってる最中です。


実はこれ。
数学的に考えると
否定派の勝ちです。


なぜなら実際に無実のプレイヤーでも「たまたま偶然。近い手を選んで、一致率が高くなる」現象が起こりえる以上は
否定派の「それは偶然の一致にすぎない」根拠を
肯定派から崩すのは不可能だからです。

それではこういう時。
数学的に考えて、どう議論すれば良いのでしょうか。



 → 答え:未来に予測を立て、実証してみせる



具体的にはチーター肯定派が
  1.  「次の試合で疑惑の選手Xは不自然な行動、一致率80〜100%の値を出す。
    まだ未確定の事案(重要について予測する。

  2. 試合当日。まだ誰も結果を知らない、今から起こる事について
     「もし予告が当たったら選手Xは有罪。しかしもし予告が外れたら無罪とする。」
    と中立な立会人の居る元で宣言・記録しておき
    (この宣言はXには知らせないでいい)

  3. そして実際の試合を敢行し、結果を確定させる。

  4. 最後に一致率を調べ、
      →予告が当たったら選手Xは有罪。検挙。
      →予告が外れたら選手Xは無罪。放免、謝罪へと。
の4ステップを踏みます。



もう一度振り返ってみましょう。

過去に起こったデータを見て一致率が高すぎる
と主張するのは根拠としては薄いです。

なぜなら何百試合も経験のあるプロ棋士ならば、
ログを漁ればそういうデータが出てくる事もある。
走査してるデータの幅が広すぎて、誰でも普通に起こってしまいます。


しかし未来の一点をピンポイント狙撃で言い当てるのは難しい。
難易度が高いからこそ、
当てた時には信頼・根拠があるのです。



そして実際の訴えには
 「もし予告が当たったら選手Xは有罪。しかしもし予告が外れたら無罪とする。」
の2種類の出口を用意する。

これで宣言の時点ではまだXは中立であり、
犯人とは決めつけていない事になり、
容疑者Xにも生き残る道ができる。
なのでフェア。


そして試合後に結果は4パターン出来ます。
 Xは本当はチーターであったXはチーターではない
結果A.
今試合の一致率は高かった
Xはチーターだし、
有罪が立証された。
(true-true)

OKのケース。

Xは本当は無実の人なのに
たまたま偶然。一致率が高い数値が出てしまったため
有罪にしてしまった。
(false-true)

冤罪。アウトのケース。

結果B.
今試合の一致率は低かった
Xは本当はチーターだが、
今回の試合にはチートを使わず
真っ当に打っていた為に、
今試合の一致率は高くならなかった。
(true-false)

犯人見逃し。アウトのケース。

Xは本当に無実であり、
今までの一致率の高さは偶然だった。
今試合では元に戻って放免された。

(false-false)

OKのケース。


この4つの中で、どれが出てくるかは
正直わかりません。(´д`;
天のみぞ知る。

冤罪もしくは犯人見逃しの悪い結果もありますが
それは正直どうしようもありません。
人間が常に100%正しく行動することは不可能。

立証側が間違った結論を出し、逆に多額の賠償金を請求される危険性もある。
だからこそ掛け金が釣り合い
条件は双方にフェアと言えるのです。



さてこの手法。
容疑者Xに警戒されてしまった
今となってはもう使えませんが・・・

事件が明るみに出る前に解決するとしたら
過去の棋譜の一致率が高い」を根拠に挙げるのではなく、
未来の一致率を予測し、言い当ててみせる」で
チーターを主張するのが
ベストでしたでしょうね。はい。



「第2回 囲碁電王戦 (2016/11/19)」


今日(2016年 11月19日)は
第2回 囲碁電王戦
趙治勲 vs DeepZenGoが本気で楽しみ。
(これを書いてるのは19日の朝。まだ結果がわかってない)

一日モニターの前にかじりついてみる覚悟です。



科学者サイド代表選手。DeepZenGo。リングへ入場!の擬人化イメージ


・・・・
ソフトと人間が対戦するときはよく
 「コンピューター vs 人類
みたいなラベル。まるでコンピューターが悪者みたいな対立煽りされますが^^;

私は違うと思います。


コンピューターはハードウェア。大きな電卓。それ以外の何者でもない。
重要なのはソフトウェアの方で、
そしてソフトウェアを作っているのは人間。

もっと具体的に言うとエンジニア。
エンジニアの中でも
研究の比重が大きいならコンピューターサイエンスに入ってくる。
科学者。



つまりこの戦いの正確な構図は
 「科学者 vs 囲碁棋士
人間同士がプライドを賭けた勝負している。
勝った方は歓喜。負けた方はくやしーーーー!

そこに人間ドラマがあるから滅茶苦茶面白いのです。



個人的には・・・うん、科学者サイド持ちですね。^^;
私もたぶん同じ種類の人間ですから。

科学/数学の力で、囲碁の本質を理解してみたいと思うし。
もしコンピューターが勝ったら
それは真理への到達。いままで未解決だった問題を解いた
素晴らしい成果だと思う。
 (すでにアルファ碁の先客もありますが。国産の技術で同じレベルに到達するのは喜ばしい)


わくわく♪わふー



16時50分追記:
DeepZenGo負けちゃった。
くやしーーーー! (涙)

序盤は強かったと思う(プロもDZG有利と言ってた)。
しかし長い手順が入るとソフト特有の水平線効果
で変な手を指し始め、
中終盤からボロボロになった模様。

水平線効果:例えばDepth19探索の時点では良い盤面で、Depth21探索になって初めて盤面が悪くなる事が判明するケース。
この時にDepth19で探索を打ち切ってしまうと、実際にはとても悪い手にも関わらず気付かず打ってしまう。

じゃあDepth21まで読めばいいかと言うと
深度を一段階増やすと計算量が3〜10倍ぐらいになり
時間の問題で不可能だったり、
Depth21まで読んでもDepth23,25,27...で盤面が悪くなったり、キリがない。
水平線問題をどうやって回避するかはAIではとても重要な問題。

なお最強の将棋ソフトPonanzaでは「雑巾絞り」と呼ばれる手法。
「深い読み」から得た経験値テーブルを「浅い読み」テーブルに割り振る事で
浅い探索でも評価値の精度が高くなるよう
この問題に対応してる。

考え方としてはフーリエ変換っぽいね。
グラフを波に分解して、一番大きな波形から
徐々に小さな波形の重ね合わせで表現すると
浅い深度でも大きな情報量が得られる。

有名なのでは.mp3とか.jpgとか < フーリエ変換が使われてる

小さいデータから全体を復元しようとするか、
浅い深度から全体を知ろうとするか、
本質的にはデータ圧縮とほぼ同じ構造だからです。


あー、なるほどね。囲碁って
今まで置いた全ての石が複雑に絡まりあうから、中終盤から計算が一番大変になるんだ。
終盤になるほど駒を捨て始める将棋とはゲーム性が全然違う。


とりあえず方向性としては合ってるのかなあ。
後はチューニングを繰り返して
バグ・弱点を取り除いてゆけば。

逆に言うとそこを取り除かない限りはいくら序盤でリードしても全く意味がない。
残り2戦。
相当厳しい戦いになりそうだと思っています。



「第2回 囲碁電王戦 二日目 (2016/11/20)」


おおー、
第2回 囲碁電王戦
第二局はDeepZenGo勝った。
一安心。


(ちょっと可哀想ですが、勝負ですからネ。
 相手の土俵に殴り込む以上、こちらもぶん殴られる覚悟をしておかなくては)


確か開発者談では
 「理論上は、DZGは世界トッププロと同等のレーティングを持っている
との事です。
・・・まあそれが19日の中終盤からのボロ負けでだいぶ怪しいと思ってしまったのですが。^^;


やっぱ問題は水平線効果だったのでしょうか。
長手数の筋に入ると悪手が出て来ていきなり弱くなる。
それさえ除けば、多分本当に強い。
それぐらい今日は圧勝してた。



来たる23日の第三戦はどうなるか。

・・・個人的にはDZG負けと予想。^^;

もし敵が一戦目と同じ、長手数狙いの戦法をやってきたのなら
多分同じパターンで負けるので。
一カ所でも弱点があるとそこから破られる。


少なくとも2016年バージョンのDZGはまだまだ荒削り。
成熟するにはまだもうちょっと待つ必要ありそうですね。



「第2回 囲碁電王戦 三日目 (2016/11/23)」


第2回 囲碁電王戦の結果。
  趙治勲 2 - 1 DeepZenGo
にてプロ棋士の勝利。

終わって見れば・・・まあかなり残念な結果かと。



DZGのいい所:

DZGの悪い所:




はっきり言ってしまうと、だいぶ完成度が低いように見受けます。
ゲーム開発で言えば20%ぐらい。
とりあえずコア部分は動くが、
触ってる内にみるみるバグが露出する。実用レベルには耐えない格好。



うーん。この調子だと厳しいかなあ。
開発は現状2人でやってるみたいだし、
残り80%の空きを埋めるには
このリソースではあまりにも少なすぎる。^^A;

マシン・人材・時間・開発費に今の5倍はぶっ込んで、
チームでプログラムを組み
並列で改良してゆかないと
来年までに戦えるソフトが作れるかは怪しいと思ってます。


最強なのは(仮に)マジな囲碁ソフト開発者が100人ぐらいいて、
全員が競い合って
Floodgateみたいな場所で24時間365日対戦しまくって
トーナメント開いて最強を選出する。

研究のピラミッドを組めたら
それこそ一年で10倍レベル。余裕でアルファ碁をぶっちぎれると
思います。
(理由:将棋ソフトがそれ。優秀なブレインが集まって競争し始めると飛躍的に強くなる)


が、現状人員二人じゃあまりにも少なすぎる。これじゃ無理だって。^_^;



何はともあれ興味深い試合でした。プロ棋士の方々も
開発者の方々もお疲れ様でした!
(今日は時間はないのでCG絵なし。後で描きます)


「CG DeepZenGoちゃん (2016/11/25)」


今日のCG。DeepZenGoちゃん。



来年また会いましょう。
見違えるほど強くなってるのを期待して。



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